こちらでは、PPPとPFIについて解説しています。人口減少や公共施設の老朽化といった社会問題が深刻化しつつあり、地域経済を活性化させるための取り組みが求められています。PPPとPFIは、活気ある地域づくりを実現につなげるために現在推進されている手法です。PPP/PFIの概要や導入によって期待されること、導入事例、そしてクリアすべき課題などをまとめました。
土木・建設業界に深く関連するこれらの手法についての理解を深めておくことは、土木施工管理技士の業務をおこなう上でも役立つでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
官民のパートナーシップによって、公共サービスを運営・提供するための手法のことを、PPPといいます。「Public Private Partnership」の頭文字を合わせた略語です。官民連携事業の総称として理解しておきましょう。
くりかえしになりますが、PPPとは、公共の施設の建設や管理、運営などを、行政と民間が連携を組んで実施していく方法のことです。ちなみに、民間とは、たとえば企業や大学、市民などの組織を指しています。行政や財政資金の使用を、より効率的におこなえるようにする体制をととのえることがPPPのねらいです。
行政サイドと民間サイド、それぞれの強みをしっかりと活用していけば、効率化が可能になるという考え方をベースとしており、効率化が実現すれば、公共サービスの充実に直結するため、地域自体の価値も上がると考えられます。そうなれば、地域住民満足度の向上につながるわけです。地域全体にわたる効用が大切ですから、人材・モノ・情報・資金といった経営資源の活用がポイントになります。
成功すれば、これまではサービスの受け手の立場にあった民間サイドが、サービスを提供する立場に立つことになるので、必然的に、地域は活気あふれた状況になると予想されます。
PFIとは、「Private Finance Initiative」の頭文字を合わせた略語です。民間サイドの資金や蓄積してきたノウハウを、公共の施設などの設計・建設や整備・維持管理、そして運営にも活かしていく手法です。
ちなみに、PFIは、PPPに含まれるさまざまな手法のうちのひとつ、という位置づけにあります。他の手法には、たとえば次のようなものがあります。
2022~2031年度を対象とした「PPP/PFI推進アクションプラン」が政府によって提唱されており、なかでも、2022年からの5年間は「重点実行期間」となっています。注目は、小さな自治体であっても挑戦できるようにサポートする体制づくりです。公民館や公園といった公共の施設に、民間サイドのノウハウなどを導入できるようにする試みなどをとおして、体制を整えていく方針です。
行政がこれまでとは異なる関わり方をすることで、公共サービスの提供のありかたが改善されると期待されています。国や地方公共団体が実施してきた事業を、かわりに民間がおこなうようになれば、官民の役割分担がより適切なものになると予想されることが、その理由です。
資金の調達方法にも、新たな手法が採用されるようになり、それが金融環境の整備につながると期待されています。そうなれば、新たなファイナンス市場も生まれてくるはずです。
民間が保有するノウハウなどが公共サービスに活用されることで、公共サービスをより安く、そして質を高められると考えられています。施設の設計や建設、管理などに携わることで、事業コストの削減につなげていきます。
宮城県内の自治体と民間企業が連携して、PPPを活用し、バイオガス事業を展開しています。有機系廃棄物を発酵処理してバイオガスおよび液体肥料をつくる事業です。バイオガスは発電に再利用できますし、また、液肥は有機質肥料としての再利用ができるため、地球環境への配慮もなされています。
バイオガス産業都市構想のための協定を締結し、施設の建設・運営・資源循環における協力体制を整えることで実現した事業だといえるでしょう。
参照元:AMITA(https://www.aise.jp/news/releace/140620_ppp_bio.html)
豊かな地域づくりや経済の活性化、公共サービスの充実化などにつなげることができるPPP・PFI。多くのメリットをもつ取り組みではありますが、クリアすべき課題も残っています。そのため、アドバイザーの充実や知識の普及、ガイドライン明確化、PFI法の整備ほか、さまざまな取り組みが今後おこなわれることになっています。
自治体サイドと企業サイドにとって、次のような課題が挙げられます。
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