このページでは、土木工事現場で利用される機械のひとつである、スクリーンについて紹介しています。さまざまな種類があり、用途に応じて使い分ける必要のある機械です。土木施工管理技士として工事を安全に進めていくためにも、スクリーンの役割や活躍場所、種類などをしっかりと把握しておくことが大切です。
スクリーンとはすなわち、ふるい機の役割をもつ機械です。ふるい分けしたい物をスクリーンに投入して使用します。
さまざまなシーンで活躍する機械ですが、土木工事においては、土を再利用したり雑物を取り除いたりする作業でおもに使われます。ほかにも、鉱山の採掘現場や解体ガラなどが生じる解体現場、そしてごみ処理場などでも活躍します。ごみ処理場でおこなわれる廃棄物処理においては、土砂抜きをして骨材の原料を抽出するのに役立ちます。
大きく2つの種類に分けることができます。自走式と定置式です。自走式のスクリーンは、その名称のとおり、移動させて使うことが可能です。役目を果たしたら、次の現場に移動します。一方、定置式のスクリーンは、処理量が多い場合に適しています。プラントを組んで使用します。
ここでは、現場で選別作業をおこなったあと必要な物のみ運搬することができる、導入しやすい自走式スクリーンについて詳しくみていきましょう。自走式スクリーンには振動型と回転型があり、それぞれの型は、さらに3つのタイプにわけられます。
油圧動力などの振動を利用し、ふるい面へ投入してふるい分けをする仕組みになっています。ふるい面は平面状になっています。潮干狩りなどでザルから砂だけを下に落とし、貝だけを選別するのと同様です。この振動式スクリーンは、スクリーンの形状によって次のように3タイプに分かれます。
高い選別精度をそなえた網が特徴となっているメッシュタイプ。ステンレス製のメッシュになっているので、水がたくさん含まれている物をふるい分けることもできます。日本ではメッシュタイプが一般的で、網目の種類も複数あります。
網状デッキの上に、鋼鉄のバーが設置されているタイプです。鋼鉄のバーがまるでクマの手のように見えることから、グリズリータイプという名称になっています。このバーで大きな岩や石を除去していくので、デッキの網が保護されます。
グリズリータイプよりも高い精度で選別作業をすることができます。また、メッシュタイプほどには目詰まりも起こりません。鉄の棒がまるで指のように並ぶ構造になっているため、フィンガータイプという名称になっています。
円筒形をした網や振動を発生させる振り子が回転し、投入物をふるい分けていくのが回転式スクリーンの原理です。回転している最中に、投入物が網目から出ていきます。回転式スクリーンは次の3つのタイプにわけられます。
複数ある円盤にシャフトが刺さり、それらがずらりと並んでいます。ディスクの回転速度を調節すれば、投入物を大きさごとに選別することが可能になります。
ドラム式洗濯機のような、円筒形をしたのかごの中に投入物を入れ、回転させてふるい分けをおこないます。比較的振動や騒音をおさえやすいです。
デッキが横方向へグラインド回転します。遠心力が加わるので、細長い投入物であってもすり抜けにくいです。そのため、木材チップの選別にも便利です。
スクリーンには、自走式と定置式固定式があり、さらにそれぞれ3種類にわかれます。つまり、自走式スクリーンだけでも合計6種類があることになるわけです。投入物と抽出物の特徴に適した機械を選択し、ふるい分けの作業を効率よくこなすことが求められます。土木施工管理技士の立場から土木工事をできるだけスムーズに進めていくためにも、スクリーンについての詳しい知識を持ち併せておくことが大切であるといえます。
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