近年、建設業界でもデジタル技術やITの導入が進んでおり、さまざまな現場で効率化や自動化が図られています。土木施工管理技士として働くうえで、こうした「情報化施工」についての理解を深めることは重要です。この記事では、情報化施工の基本やそのメリットについて解説します。
情報化施工とは、建設工事や土木工事においてデジタル技術やITを活用し、工事の効率化や品質向上を図る手法を指します。具体的には、3Dモデルを用いた設計やシミュレーション、現場での進捗管理にクラウドシステムを活用したり、AIによるデータ分析を通じて品質管理を最適化したりといった技術が使われます。
これらのデジタル技術を活用することで、作業のスピードや精度が向上するだけでなく、コスト削減や人手不足の解消にもつながると期待されています。情報化施工は今後さらに発展していく分野であり、建設業界におけるデジタル化を支える重要な要素となっています。
特に、労働力不足や働き方の多様化が進む中、情報化施工はこれらの課題に対して大きな解決策となるでしょう。
情報化施工には、建設工事の各段階でさまざまなメリットがあります。ITやデジタル技術を活用することで、効率化や安全性の向上、コストの削減など、多くの恩恵を受けることができます。以下では、情報化施工がもたらす具体的なメリットを、国民、建設会社、発注者の3つの視点から紹介します。
情報化施工の恩恵を最も受けるのは、公共工事やインフラ整備を利用する一般の国民です。情報化施工によって、道路や橋などのインフラが効率的かつ高品質に建設されることで、より安全で快適な公共サービスが提供されます。
また、施工プロセスの効率化により、工期の短縮やコスト削減が実現し、余分な予算を削減することが可能になります。これにより、他の公共事業に資金を回せるようになり、国民全体の生活環境の向上にもつながるのです。
建設会社にとっても、情報化施工の導入は大きなメリットがあります。まず、IT技術を活用することで作業効率が大幅に向上し、人手不足や長時間労働といった課題を緩和できます。たとえば、3Dモデリングやドローンによる測量技術を活用すれば、これまで手作業で行っていた作業が自動化され、作業時間を大幅に短縮することが可能です。
さらに、従業員の負担が軽減されることで、働きやすい環境が整い、離職率の低下や新規採用者の定着率向上にも寄与します。また、施工の最適化によりコストを削減し、利益率を高めることもできるため、会社全体の経営効率が向上します。
発注者にとっても、情報化施工は大きなメリットをもたらします。施工プロセスの進捗状況や現場の状況をデジタルデータとしてリアルタイムに把握できるため、監督や検査業務を効率的に行うことが可能です。
さらに、オンラインでの情報共有が標準化されることで、発注者と施工業者間のコミュニケーションがスムーズになり、トラブルの防止やプロジェクトの進行管理が容易になります。また、デジタル技術を活用したコスト管理により、予算の透明性が向上し、適正な価格での契約が可能になるというメリットもあります。
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