トンネルがあることで山を越えることも楽になり、移動時間も短縮できるなどのメリットがあるでしょう。このページではトンネルの役割や工事の特徴について紹介しています。
トンネルは山の中を切り抜いて作られる構造物と思う方も多いでしょう。一般社団法人日本トンネル技術協会では、仕上がり断面積が2m2以上のものと定義されています。そのため鉱山などの坑道はトンネルには含まれていません。つまり地下構造物であり、さらにある程度の大きさのある構造物がトンネルなのです。
日本では森林や農地などが国土の8割程度を占めており、人やモノを移動させるためには山・谷・川などを迂回するなどをしなければなりません。そのためエリアによっては不便な場所も多く、物流に支障をきたすこともあるので、トンネルや橋などが必要になってくるのです。
日本は約15000本ものトンネルを有しているトンネル大国と言われています。トンネルがあることで、人々の交流が活発となり、物流にも役立っているでしょう。
山を越えるという行為は、どうしても危険なことも多くあるでしょう。トンネルを整備することで、安全かつ快適な移動ができ、様々な事故を防ぐことに役立っています。また排水用のトンネルなどもあり、災害などを予防する機能も備わっているでしょう。
トンネルには電気・水道・ガスなどの生活に欠かすことができないインフラの設備が地下に備わっており、共同溝というトンネルを通じて私たちのもとに届きます。そのためトンネルはインフラにも欠かせない重要な役割もあるのです。
山岳部に建設されるトンネルのことです。山岳トンネルにはNATM工法などがあり、様々な工法を用いられてトンネルが作られています。たとえばNATM工法は山岳部を機会で横向きに掘削していき、土砂を排出する工法です。この工法はトンネルを掘った際に山が崩れないようなケースの時に選ばれ、掘削したあとにコンクリートの吹付を行います。地山の保持する力を活用してトンネルが作られるので、地盤が弱く掘削時に崩れるような場合には補助する工法を採用しなければならないためNATM工法は難しいでしょう。
地上部からトンネルに向けて下の方へ掘削し、穴を掘ってトンネルを構築したあとで埋め戻す工法によってつくられたトンネルのことです。真っすぐに地山を掘削するので、地山の崩れを防ぐための土留壁や切梁などの支保工が大切になってきます。
深度が小さい場合は、大規模な地価の空間を構築できるので様々なケースに用いられている工法です。しかし掘削するときに地上の部分が利用できないので、既設の建物の直下にトンネルを構築するケースでは用いられません。
シールドマシンという掘削用の機器を活用してトンネルをつくる工法のことです。このトンネルの場合、立坑を構築しなければなりません。構築したあとで、横向きにシールドを進め、掘削や土砂の排出、トンネルの構築などを全てシールドマシンで実施します。
地盤が軟弱なケースでも使え、また直上に既設の建造物があっても適用可能です。しかしシールドマシンが高額なため、コストが高くなることもあるでしょう。
ドリルジャンボという機器を用いて、岩盤に爆薬を入れるための穴を掘ります。
掘った穴の中に爆薬を詰めます。
爆薬に点火し、岩盤を砕きます。
砕いた岩や土砂などを取り除き、トンネルの外に運搬します。
岩盤にコンクリートを吹付、補強を行います。
トンネルが崩れないようにトンネルの内部にアーチ状の鉄骨を設置する支保工を行います。
設けられた支保工と、支保工との間の地山にコンクリートを吹き付けます。
ロックボルトをトンネルの内部から地山に埋め込み、補強を行います。
吹き付けたコンクリート面に防水シートを張り、トンネル内部の水漏れを予防します。
防水シートの内側にコンクリートの移動式鋼製型枠を設け、その隙間をコンクリートで埋めていきます。コンクリートがしっかり固まれば、型枠を外します。
トンネルは安全かつ快適に移動し、スムーズな物流を促すためには必要不可欠なものです。そのため土木施工管理技士としてトンネル工事に携わることは社会的な大きな意義もあり、やりがいも感じられるでしょう。
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