PRIDE~次世代へつなぐ 土木施工管理技士の新しい働き方 » 【なりたい】土木施工管理技士になるには » 構造力学

構造力学

令和6年度以降の土木施工管理技士試験では、工学基礎分野として「構造力学」が新たに出題対象に加わりました。この記事では、構造力学の基本的な考え方や重要なキーワード、試験対策のポイントについて解説します。

構造力学とは

構造力学とは、橋や梁、柱といった土木構造物が、重さや外力を受けたときに、内部でどのように力を受け止めているのかを考える分野です。

土木構造物は、見た目の形が整っていればよいわけではありません。どの材料を使い、どのように部材を組み合わせるかによって、安全性や耐久性は大きく左右されます。構造力学は、構造物の「骨組み」や「内部で力がどのように流れているのか」に注目し、構造として無理のない状態になっているかを判断するための基礎となる学問です。

施工管理の立場では、構造計算を自ら行う機会は多くありません。しかし、「この構造物ではどこに力が集中しやすいのか」「なぜこの位置に部材が配置されているのか」といった設計上の考え方を理解しているかどうかは、施工中の確認や判断に大きく関わってきます。

構造力学は、設計者だけの専門知識ではなく、現場で構造物を安全につくり上げるために、施工管理技士にも求められる基礎的な知識として位置づけられています。

構造力学における重要キーワード

土木施工管理技士試験で問われているのは、複雑な計算技術や高度な理論ではありません。構造物を「力」という視点でどのように捉えるのか、その基本的な考え方を理解しているかどうかが重視されています。

ここでは、構造力学を理解するうえで、特に押さえておきたいキーワードを紹介します。

力のつり合い(平衡)

構造物が倒れたり動いたりせず、安定した状態を保っているとき、そこに働く力は互いにつり合っています。この状態を「力のつり合い(平衡)」と呼びます。構造物には、自重や荷重、風や地震などさまざまな力が作用しますが、それに対して支点や地盤からの反力が働くことで、全体として静止した状態が保たれています。

構造力学では、この力のつり合いが成り立っているかどうかが、すべての検討の出発点です。試験でも、「構造物が安定している条件」を正しく理解しているかが、図や設問を通して問われます。

モーメント

モーメントとは、物体を回転させようとする力の働きのことを指します。力の大きさだけでなく、「どの位置に力が加わるか」によってその影響は変わります。

構造物では、支点から離れた位置に荷重がかかるほど、回転させようとする作用が大きくなります。このモーメントの考え方は、後述する曲げモーメントを理解するうえでも欠かせない基礎となります。

曲げモーメント

梁(はり)などの部材に荷重がかかると、部材は曲がろうとします。このとき、部材を曲げようとする力として生じるのが曲げモーメントです。曲げモーメントは、「どの位置で、どれだけ曲げの力が大きいか」を示す重要な指標です。

構造物の中には、特に曲げの影響を受けやすい部分があり、そうした箇所では変形や損傷が起こりやすくなります。そのため構造力学では、曲げモーメントが大きくなる位置を把握し、部材の配置や断面が適切かどうかを判断します。

土木施工管理技士試験では、曲げモーメント図の読み取りや作図が出題されており、「どこに大きな曲げが生じているか」を理解できているかがポイントになります。

反力

構造物が外からの力を受けるとき、それを支える支点や地盤から生じる力を反力と呼びます。反力は、構造物が力のつり合いを保つために欠かせない存在であり、支点条件によってその大きさや向きが変わります。

構造力学では、反力を正しく把握することで、その後の曲げモーメントや応力の検討につなげていきます。試験でも、支点の種類や反力の考え方を理解していないと、図を正しく読み取れない問題が出題されることがあります。

部材内部に生じる力(応力)

構造物に荷重がかかると、部材の内部には引っ張られたり、押し縮められたりする力が生じます。こうした部材内部の力を、まとめて「応力」と呼びます。応力は、部材がどれだけ無理をしているかを表す指標であり、材料の強さと比較することで、安全かどうかを判断します。

代表的なものとして、引っ張られることで生じる引張応力、押し縮められることで生じる圧縮応力があります。令和7年度の試験では、引張応力に関する問題が初めて出題されており、応力の基本的な考え方を理解しているかが問われました。

構造力学の試験対策について

令和6年度以降の土木施工管理技士試験では、工学基礎分野として構造力学が必須出題となりました。これにより、第一次検定では土質工学・構造力学・水理学の3分野から、基礎的な知識が問われる構成となっています。

ただし、出題内容は高度な専門知識や複雑な計算を求めるものではなく、構造物に力が作用したときの基本的な考え方を理解しているかどうかを確認する問題が中心となっています。

そのため、構造力学に苦手意識がある場合でも、用語の意味や図の読み取りといった基礎部分を押さえておけば、十分に対応できる分野だといえるでしょう。

令和6年度の出題内容

令和6年度の第一次検定では、工学基礎分野として5問が必須出題され、そのうち構造力学からは2問が出題されました。出題されたテーマは、曲げモーメントと図心に関する問題で、いずれも2級土木施工管理技士試験と同レベルの内容でした。

曲げモーメントについては、図をもとに作図や考え方を問う問題であり、公式の暗記よりも、部材にどのような力が生じているかを理解しているかがポイントとなっていました。また、図心の問題についても、断面の形状を正しく把握し、基本的な考え方を理解していれば対応できる内容でした。

いずれの問題も、難解な理論を求められるものではなく、基礎的な知識と考え方を身につけていれば十分に対応できる問題構成だったといえるでしょう。

令和7年度の出題内容

令和7年度の第一次検定においても、工学基礎分野の出題構成は令和6年度と同様で、構造力学からは2問が出題されました。内容は「曲げモーメント図」と「引張応力」に関するもので、基礎的な理解を問う構成が引き続き採用されています。

曲げモーメントに関する問題は、令和6年度と同じテーマを踏襲したもので、力のかかり方を図で整理し、曲げの状態を読み取る力が求められました。前年の出題内容や、2級土木施工管理技士試験の問題を復習していれば、対応しやすい内容だったといえます。

一方、引張応力については令和7年度で初めて出題されたテーマでした。ただし、複雑な計算を行う問題ではなく、「応力とは何か」「部材が引っ張られたときに内部で何が起きているか」といった、用語の意味や考え方を理解しているかが問われる内容でした。

全体として、令和7年度の構造力学は、令和6年度の出題傾向をベースにしつつ、応力といった関連用語への理解も確認する構成となっており、構造力学を基礎から整理して学んでいるかどうかが重要視されていることが分かります。

まとめ

構造力学は、構造物が力を受けたときに、内部でどのように支えられているかを理解するための分野です。土木施工管理技士試験においても、専門的な設計計算より、構造物を力の観点から正しく捉えられているかが重視されています。

令和6年度・令和7年度の出題内容を見ても、曲げモーメントや応力といった基本的な用語や考え方を理解していれば対応できる問題が中心でした。構造力学を学ぶ際は、公式を暗記することよりも、「どこにどのような力がかかっているのか」をイメージすることを意識すると、試験対策としても効果的だといえるでしょう。

本サイトの監修・取材協力企業

株式会社ティーネットジャパンとは

発注者支援業務において
日本を代表する企業

株式会社ティーネットジャパンは、公共事業の計画・発注をサポートする「発注者支援業務」において日本を代表する建設コンサルタントです。
建設コンサルタントにおける『施工計画、施工設備及び積算』部門の売上げで23年連続業界1位を獲得(『日経コンストラクション』2025年4月号「建設コンサルタント決算ランキング2025」)。主に官公庁の事務所に拠点をおいた業務のため、官公庁に準じた完全週休2日制。ゆとりある環境です。

株式会社ティーネットジャパン 公式サイト
引用元HP:株式会社ティーネットジャパン 公式サイト
https://www.tn-japan.co.jp/ja/
       

(株)ティーネットジャパン 全国積極採用中
求人情報をチェックする