1級土木施工管理技士を取得したあとに「次のステップ」として名前が挙がる資格が、技術士(建設部門)です。国交省の発注案件や発注者支援業務では優遇されることも多く、キャリアの選択肢を大きく広げる資格として知られています。
ここでは、技術士(建設部門)の制度と土木施工管理技士との違い、そして実際にどのようなメリットがあるのかを整理しました。
技術士は、科学技術に関する高度な専門知識と応用能力を国が認定する国家資格です。20の技術部門に分かれており、そのうち「建設部門」は道路・河川・鋼構造物・トンネル・施工計画など、土木領域の幅広いテーマを扱います。
技術士に登録するには、まず一次試験に合格したうえで技術士補として登録し、その後の実務経験と二次試験の合格が必要です。二次試験は筆記と口頭で構成され、合格率は例年10〜15%程度と難関の部類に入ります。
両資格は「土木の技術者」という点で似ていますが、位置づけは大きく異なります。土木施工管理技士は工事現場での施工管理を担うための資格。一方で技術士(建設部門)は、計画・調査・設計・監理までを含めた「技術コンサルティング」を担うための資格です。
もう一つの大きな違いは、法律上の役割。土木施工管理技士は建設業法で監理技術者・主任技術者として位置づけられ、技術士は建設コンサルタント登録における管理技術者・照査技術者に該当します。取得する目的が「現場を仕切るのか」「発注者側で技術判断するのか」で選び分ける資格と考えると、整理しやすくなります。
官公庁の発注者支援業務では、管理技術者や照査技術者の要件として技術士が指定されることが少なくありません。土木施工管理技士のみで応募できる求人と比べ、担当できる案件の幅と単価が大きく変わります。
実務経験と組み合わせれば、河川・道路・橋梁など主要インフラの発注者支援に技術判断の立場で関われるため、キャリアの幅が一段と広がります。担当できる工種が増えるだけでなく、若手の育成や品質照査といった上位ポジションにも入りやすくなるのが特徴です。
技術士は資格手当の対象になっている企業が多く、月額で数万円〜10万円程度の手当が設定されるケースも珍しくありません。ゼネコンから建設コンサル、発注者支援の派遣元へと移る際にも、提示年収が跳ね上がる代表的な資格です。
技術士の有無で提示レンジが数百万円変わることもあり、30代・40代の年収アップにおいて費用対効果の高い投資と言えます。取得後の資格手当は在職中ずっと受け取れるため、生涯賃金ベースでもリターンの大きい資格です。
技術系資格の最高峰と位置づけられる技術士は、名刺に載せて説得力を持つ数少ない資格の一つ。建設コンサルタント登録や公共事業の入札要件にも直結するため、勤務先の受注力にも貢献できます。
取得後に登録すれば「技術士(建設部門)」を名乗ることができ、講演・執筆・後進育成など、現場以外の仕事にも活躍の場が広がるでしょう。取引先や発注者との打ち合わせでも、資格を持っている技術者の意見は通りやすくなります。
建設部門の二次試験では、以下のような選択科目から1つを選んで受験します。
土木施工管理技士から進む場合は、実務経験のある工種と一致する科目を選ぶのが基本です。特に「施工計画、施工設備及び積算」は現場経験を活かしやすく、施工管理技士から挑戦する人に人気の高い科目とされています。
技術士(建設部門)の取得後は、担当できる案件の質が変わります。ゼネコンや建設コンサルでの管理技術者ポジション、官公庁の発注者支援業務、地方自治体の技術顧問など、選択肢は一気に広がる資格です。
特に発注者支援業務は、残業や休日出勤が抑えられ、家庭との両立を考える技術者にとって魅力的な働き方。1級土木施工管理技士のうちからでも従事は可能ですが、技術士があると担当できる業務の幅が大きく変わってきます。今の職場でキャリアの頭打ちを感じている方は、技術士取得を視野に入れておくと将来の選択肢を確保できます。
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